https://ifa-miyoshi.com/2020/03/22/%e8%b3%87%e7%94%a3%e5%bd%a2%e6%88%90%e3%81%ae%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%82%b9%e5%88%b0%e6%9d%a5/
前回の記事にも記載しましたが、株式相場は大きく下落しております。
これを踏まえて歴史的な観点から資産家が生まれるプロセスを書いていきます。
今回はちょーっと小難しい話です。なるべくわかりやすいよう記述していきますので、読んでいただければと思います。
なぜ貧富の差が生まれるのか
2,3年前にトマ・ピケティという経済学者の著書「21世紀の資本」で
「r>g」
という公式が非常に注目を集めました。
rとは「return(リターン)」のことで資産運用などで得られる収益
gとは「growth(グロース)」のことで経済全体の成長
のことを指します。
トマ・ピケティがあの分厚い本で言いたかったことは「r>g」、
そしてこれが貧富の差を生む大きな理由である!ということでした。
詳しく説明すると、
資産運用で増える利益>国の経済成長(人々の収入)
歴史的に見れば、汗水働いて給料もらったり、昇給で豊かになるよりも、
資産運用で得られる利益の方が大きいよ、ということです。
そして資産運用に取り組んでいる大半は、まとまったお金を持っている人たち。運用する人たちは益々お金持ちになり、そうでない人たちとの差は広がっていく。
そんな感じです。
・極端な例
例えば、一般ピーポーのAさん、
一方で、昔から歴史ある資産家一族で、100億持っているBさんがいるとします。
Aさんは大学を卒業してから年収600万で会社員として働きました。(新人から定年まで通して600万とします)
一般企業で22歳から60歳の約38年間、定年まで勤めあげました。
そんなAさんの生涯年収は、ざっくり
600万×38年=2億2800万+退職金になります。
(これは平均的な数字だと思います。)
その一方で100億円持っているBさんは38年間、100億を運用に回して毎年1%の安定的な運用を行いました。(極端な例ですよ!)
単純計算で、100億×1%×38年間=38億
が収入となります。
しかも毎年1億の収入があったとしても使い切らなかった場合は翌年の運用資産に回すことができます。(複利)
年間3000万使ったとして7000万が残ります。次の年は100億7000万を運用に回せます。
2年目の収入は100億7000万×1%=1億70万となります。
これは本当に誇張した極端な例ですが、現実に起こりえる話でもあります。
少し悲しいですが、Aさんの生涯年収をBさんは3年間で稼ぎ出してしまうわけです。
実際、私も証券会社で勤務しておりましたが、
3億円以上保有している方は生活資金としての収入という面では、言い方悪いですが「ゴール」してしまってるんです。
めちゃくちゃ荒いお金使いとかしなければ生活には困らないわけです。
(実際のところは、それなりの資産家はそれなりのお金の使い方されるので、それですべて完結される方は少ないですけど。)
前置きが長くなりましたが、「r>g」のイメージが伝わったでしょうか。
資産運用を行っている資産家は多く、運用収益で十分生活できる、くらいに思っていただければいいです。
恐慌時に格差は狭まる
上記の話をもとに考えていくと、資産家の資産は株式相場に少なからず連動します。
投資している資産家が多いということは今回の下落で一時的に資産を減らしてしまっている資産家は一定数存在するということです。
保有資産をすべて金融資産に投じている資産家はいないと思いますが、今回の下落は避けられないと思います。
参考ですが
米国の所得格差(トマ・ピケティ「21世紀の資本」から)
これは米国の資産格差のグラフです。グラフが上の際は貧富の差が広がっている状況です。
グラフが下がっているときは貧富の差が縮小してるということです。
NYダウの推移
一概に言えませんが、上昇相場では資産家のシェア(格差)が大きく増えている傾向があります。
1940年以降の格差が下がっている原因はトマ・ピケティの著書によると、「戦争により経済が疲弊してショックが長引いた」とのこと。
特に緑色の1980年以降はNYダウとの相関関係が顕著に出ています。
反対に下落時には資産家のシェアが一時的に下がっています。
つまり、
下落相場では資産家と一般ピーポーとの格差は若干狭まる、
そして上昇相場ではまた資産家と一般ピーポーの格差は拡大していく、という訳です。
次の上昇相場に備えて
株式相場はよく言われる通り、下がり続けることもないし、上がり続けることもありません。
期間の差はあれど、上昇相場に転じるタイミングは必ず訪れます。
その際、また資産家と一般人との所得格差は広がり始めます。
それに備えて準備できることは何でしょうか?
遠まわしに言うと「資産家」側に移ることではないでしょうか。
つまりは「資産運用を始めてみる」ということですね。
少しずつでも種をまいてみましょう。
人の行く 裏に道あり 花の山
資産家は悲観から生まれます
では今回はこの辺で。