リスクとは?
みなさんは「リスク」と聞くとどんなイメージをされますか?
なんとなく「危なそう、損しそう、できるだけ避けたい…」と感じるのではないでしょうか?
その認識は間違いではありませんが、正解でもありません。
資産運用の世界でリスクとは「不透明さ、不確実さ、分からないこと」という意味で捉えられることが多いです。
一見同じような意味に感じますが、
「危険、損」という言葉はマイナスの意味でしかありません。
「不透明さ」という言葉はプラスもマイナスも両方の意味を有しています。
例えると、こんなイメージ。(かなりざっくりした説明でスイマセン)
上記のような動きをする金融商品(仮に株としましょう)があったと仮定して、
Aの時点で購入して、Bの時点にいくらになっているでしょうか?
正直、何の情報も無ければ、答えとして「分からない」というしかありません。
当てずっぽうですよね。
もしかしたら、値上がりして儲かるかもしれません。
その逆に、値下がりして損するかもしれません。
その際、この商品(株)は値下がりする危険性があるという意味では「下落(値下がり)リスクがある」と言われます。
ただひとつお伝えしたいことは、
「リスクがある」≒「値下がりする危険性だけでなく、値上がりする可能性(リターン)もある」という意味であり、「危険性があるから絶対だめ!」と極端に認識するのは資産形成を考える上では非常にもったいないということです。
値上がり(リターン)の可能性が全く無く、かつ値下がりは確定しているのであれば、それは「損」です。リスクではなく、確実な損です。
リスク管理について
それでは先ほどの例を踏まえて、あなたが先ほどの商品(株)をめちゃくちゃ調べたとします。
もしくは本当に信頼できるアドバイザーが調べてくれたとします。(両方が理想だと思いますが。)
そうするとこんなイメージになりました。
先ほどの例とどこが違うでしょう。
具体的にB地点での振れ幅がある程度、想定できるようになりました。
値上がりしても+5%、損しても―5%。
(※運用の世界で「絶対」というものはありません。いくら調べても想定以上に儲かったり、損したりすることもございます。あくまで1例として想定してください。)
この際、あなたはこの商品を購入するとして、いくら投入するのか。最悪5%値下がりしてしまっても耐えられる分の余裕資金で運用を行うのではないでしょうか。
もしくは購入しない、という選択を取るのではないでしょうか。
最悪のケースも踏まえたうえで選択、決断する。
これがリスク管理という考え方になります。
様々な考え方があるけれど…
私は金融機関で勤めておりましたが、このリスク管理という点で、
認識できていないお客様は少なくありませんでした。
否定はしませんが、退職金を全て株式投資に振り向ける方、
わからない、怖いという理由で、金利0.01%の定期預金にすべて預けっぱなしの方。
リスクや、そのリスクを取った上で得られる可能性のあるリターンも把握された上での選択なら良いと思います。
ただ、「なんとなく」であったり、損するリスクは無視して、儲かる面ばかり考えて取った選択肢である場合、想定以上の損失を被る可能性は否めません。
銀行や証券の窓口で、「これからAI関連の株が上がります」なんて聞いて、巧みなセールストークを聞けば、ワクワク高揚して私だって買いたくなってしまうと思います。
その他に、なにもしないということは、自ら「なにもしない」という選択肢を取っている訳であり、そこには何もリスクが存在しないかのように感じますが、なにもしないことによって発生しうるリスクも存在します。
なんとなく「なにもしない」という選択をしているのです。
「何もしないこともまた一つのリスク」っていうやつです。
もし、何かしてみたいけど調べ方が分からない、何から手を付けたらわからないなどありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
最後に
証券会社に勤務するようになってから
「人生も投資」なんてことを思うようになりました。
新入社員時代には、財産も知識もありませんが、
数少ない持っている「時間」「若さ」「やる気」を投資して、
「お金」「知識」「経験」を得ます。
人によっては、
またそこで得たものをさらに投資して、
より大きな成果を求めます。
私自身、野村證券を退職する際、多くの方から「せっかく入ったのにもったいない」「耐えて働き続ければ安泰なのに」というお声がけをいただきました。
それは純粋に心配していただいたり、転職後のリスク(給料リスク、社会的な信用リスク)を踏まえてのお心遣いだったのだと思っております。感謝しております。
ただ、将来的な証券業のビジネスを見通した時に、「今まで同様に会社に残るリスク」と、「転職してIFAとして働くことのリスク」を天秤にかけた時、私は後者の方がもっと社会の役に立てる働き方ができ、なによりも、自分が一番納得して仕事ができると思い、転職に踏み切りました。
転職する際には、不安もありますし、実際に移ってみないとわからないこともたくさんあります。どれもリスクに当てはまります。
ただ、それもできる限り自分で調べたうえで、許容できるリスクだったので、あとは決めるだけでした。
今は転職し、IFAとして働いていることに誇りを持っています。
選択に正しい答えはありませんが、選んだ道を後悔することないよう、自分の選択が正しかったのだと自分自身に証明するためにも今は全力で業務に取り組んでおります。
そして皆様の人生の選択を後悔の無いように、(少なくとも金銭面で)
業務を通してお手伝いできれば、この上ない幸せだと思います。
ぜひ皆様のお考えをお聞かせください。
では、この辺で。